軽貨物の適正化推進、協議会初会合
安全対策など情報共有
国土交通省は1月30日に「第1回貨物軽自動車運送事業適正化協議会」を開いた。軽貨物関係の荷主や元請事業者、関係団体が参加し、輸送の安全や適正な事業運営の確保に向けて情報共有、意見交換を行った。軽貨物は個人事業主が多く事業の実態が不透明なことから、国交省では1万者の個人事業主に対し実態調査を行うほか、改正事業法の荷主への働きかけ制度など国の施策についてポスター・リーフレットを作成し周知徹底する。協議会の冒頭であいさつした堀内丈太郎自動車局長は「事故件数はトラック全体では減少傾向だが、軽貨物はこの5年間で死亡・重傷事故件数が約8割増。輸送の安全確保への取り組み、さらに令和6年度には時間外労働の上限規制、また昨年12月に改正された改善基準告示に基づく拘束時間などのルールは軽貨物にも適用される。個人事業主が多く、法令に係る情報を充分に周知浸透する仕組みがしっかりできていないこともあり検討が必要」と協議会発足の経緯を述べ広く協力を求めた。検討会にはECサイト運営でアマゾンジャパン、元請でヤマト運輸、佐川急便、丸和運輸機関、SBSホールディングス、プラットフォーム運営でCBclоud、ハコベルと各大手が出席。業界団体はフードデリバリーサービス協会、全国赤帽軽自動車協同組合連合会、オブザーバーに全日本トラック協会の各関係者が出席した。会合では自動車局貨物課から軽貨物の現状と課題、改正事業法に基づく働きかけ制度の概要、安全政策課から軽貨物の輸送の安全確保、厚生労働省からは改善基準告示の見直しについてそれぞれ説明を行った。事業者からはアマゾンジャパンと佐川急便が各社の安全に対する取り組みについて説明し、その後意見交換を行った。初会合は情報共有が大きなテーマで、とくに行政、業界の安全対策に関する確認を行った。事業用軽貨物は追突、出会い頭衝突の事故件数が多く、1万台当たりの出会い頭衝突事故は、軽貨物は軽貨物以外に対し5・2倍多いのが実態である。協議会の次回開催は未定だが、軽貨物運送の適正化に際して必要に応じて実施する。国交省では軽貨物運送事業者への法令遵守と働きかけの周知を徹底する。荷主、元請から過大な配送依頼など長時間労働を強いられ法令遵守ができない場合は働きかけの対象となることや、国の相談窓口の存在など改めて周知を図る。ポスター・リーフレットを作成し元請事業者の営業所や事業場、車検場に出向く軽自動車検査協会の全国の事務所に掲示を依頼する。今月中にも配布予定。実態調査については首都圏・近畿圏の軽貨物運送事業者(1万者の個人事業主)に対しアンケート形式のウェブ調査を実施、依頼の際にリーフレットも配布する。年度内にも結果を取りまとめる。