運輸・倉庫「増収増益」3割、TDB業績見通し

「人手不足」最大の下振れ材料

帝国データバンク(TDB)が発表した2024年度の業績見通しに関する企業の意識調査によると、「増収増益」予想は全体で26・3%(前年度26・4%)、運輸・倉庫は29・3%(同29・8%)となった。前年から大きな変化はないが、下振れ材料で「人手不足の深刻化」が増え、運輸・倉庫では「原油・素材価格の動向」とともに5割超が回答した。3月の景気動向調査とあわせて、毎年業績見通しに関する企業の意識調査を実施、今回は1万1268社が回答(運輸・倉庫468社)した。売上高・経常利益の対前年度比予想はグラフの通り。全体では「減収減益」の割合が4年ぶりに増加した。運輸・倉庫も「減収減益」の割合が3・5ポイント増加した。9業界で「増収増益」の割合が最も高いのは金融で32・5%。次いでサービスの30・8%、農・林・水産の29・6%で、運輸・倉庫は4番目。「減収減益」では小売が25・4%と最も高く、次いで建設が24・2%で、運輸・倉庫は4番目に低い。業績見通しの上振れ材料は、全体では「個人消費の回復」が37・3%(複数回答、以下同)と前年に続きトップで、以下、「所得の増加」24・1%、「原油・素材価格の動向」20・1%、「人手不足の緩和」19・0%、「公共事業の増加」18・7%。運輸・倉庫の上振れ材料も「個人消費の回復」が39・3%とトップで、前年トップの「原油・素材価格の動向」33・3%が続く。以下、「人手不足の緩和」30・3%、「所得の増加」19・9%、「雇用の改善」17・3%。一方、下振れ材料は全体では「人手不足の深刻化」が39・4%と5年ぶりにトップとなり、前年トップの「原油・素材価格の動向」が33・3%と続いた。以下、「個人消費の一段の低迷」28・6、「2024年問題」27・5%、「物価上昇(インフレ)の進行」22・7%。運輸・倉庫は引き続き「原油・素材価格の動向」が55・1%と最多だが、次いで「人手不足の深刻化」も54・1%と前年より3・8ポイント増えた。以下「2024年問題」も49・1%が回答、「賃金相場の上昇」29・7%、「個人消費の一段の低迷」 29・3%と続いた。