運輸・倉庫3カ月連続悪化、TDB2月景気動向調査

燃料コスト増影響続く

帝国データバンク(TDB)が5日発表した2月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比0・4ポイント減の42・5と3カ月連続で悪化した。ガソリン補助金縮小によるコスト増のほか、時間外労働時間の上限規制、人件費の負担増などがマイナス材料となった。一般貨物自動車運送業の景気DIは0・4ポイント増の41・0だった。全体の景気DIは0・1ポイント減の43・5。米をはじめ食品の値上げや寒波の影響により個人消費が低迷したほか、建設、製造の悪化が目立った。今後は賃上げによる個人消費の回復に期待がかかるものの、コスト増や輸出産業に対する海外リスクが重荷となり、横ばい傾向が続くと見る。運輸・倉庫業界は燃料価格の高止まりのほか、車両価格の高騰も下押し要因だった。中国の景気低迷や旧正月休みの物流への影響も聞かれる。一般貨物自動車運送業の景気DIは前月比改善したが、前月が3・5ポイントと大きく落ち込んだ反動もある。運輸・倉庫の各指標をみると、販売単価DIは60・6(前月58・9)に上昇、仕入単価DIは70・4(前月71・0)に下げたが依然として高水準。雇用過不足DIは正社員65・0(前月64・2)、非正社員57・5(前月57・3)と人手不足感も強まっている。燃料価格の上昇はとくに中小企業への負担が大きい。2月は大企業の景況DIは改善しており、大企業と中小企業の景況DIの規模間格差は全体で5・5ポイント、運輸・倉庫業で4・8ポイントの開きがある。物流関係者からは「原油価格の高止まりとガソリン補助金の縮小が影響」(一般貨物自動車運送)、「物量の増加で売上高は増加も、人件費、燃料費などの高騰で利益は減少」(特別積合せ貨物運送)などコスト高が収益を圧迫する。加えて、「中国の景気低迷で、輸出入の荷動き低下が続く」(運送取次)、「中国の旧正月休みで物量が減少」(外航貨物海運)の影響も聞かれる。見通しも「人件費、燃料費の高騰がいつまで続くか予想できない」(特別積合せ貨物運送)、「中国、韓国の景気減退の影響を受ける」(港湾運送)、「コンテナ量の減少やアメリカの関税政策による影響」(集配利用運送)など懸念を抱える。運輸・倉庫業界の景気DI見通しは、3カ月後45・2、6カ月後46・0、1年後47・1となる。