魅力ある労働条件構築へ
運輸労連定期大会
運輸労連は7・8日に第55回定期大会を東京・台東区の浅草公会堂で開催し、2022年度(中間年)運動方針などを確認した。3年振りの対面開催(ウエブ併用)となり活発に議論した。難波淳介委員長は冒頭挨拶で「22春闘は月例賃金にこだわり、要求し続けてきた変わらない姿勢に経営陣が歩み寄ってきた。半歩かも知れないが前進した」とする一方、産業間格差では「これまでと同様2割低いか、それ以上に拡大している」とし、「働きの価値に見合った賃金水準となるよう引き続き運動を進めていく」と呼び掛けた。22春闘は6月末現在で解決額が単純平均2273円、前年対比360円(18・8%)増。中小から大手すべての規模の単純平均で引き上げ額は2000円を超え、引上げ率前年比は30~99人の14・9%から300人~999人の41・2%の範囲で増加。月例賃金引上げによるトラック運輸産業の魅力を高める観点から一定の評価を示した。一方で他産業は人材確保へ大幅な賃金引上げが行われ格差拡大の是正は進まない。難波委員長は「来年の23春闘が大きな転換点。2%を超える物価上昇分の取扱い、2024年問題解消へ賃金水準確保が頭に浮かぶ。トラック運輸産業の必要性・重要性の認知度を高め、正当な対価としての運賃料金収受がなされること」を指摘する。その原資確保に向けた標準的な運賃の届出は全事業者の5割弱に留まり、「コロナ禍で荷主の経営状況の厳しさに配慮して交渉ができないとしても自社の届出はすべき。標準運賃の届出は経営者として魅力ある賃金労働条件構築に向けたメッセージである」と求めた。
●〝つなぎ・つながる〟運動を前進
最後に難波委員長は「魅力あるトラック運輸産業の確立へ後半年度のスタートを切る。これまで以上に〝つなぎ・つながる〟運動を前進させる。厳しい環境の今だからこそ、将来世代へ引き継ぐため声を上げよう」と強く訴えた。連合の芳野友子会長が来賓挨拶し、「仕入れ価格上昇分を価格に転嫁できず、中小企業の経営環境に大きな影響が出ている。輸送業界は90年代の規制緩和で新規参入が相次ぎ、労働条件が悪化しドライバー不足の深刻な問題を抱えながら2024年問題や燃料高騰の転嫁対応に迫られる」と指摘。その上で「連合の基盤は皆さんの運動の積み重ね。働く仲間を守り、つながり、新たな活力を作り出す原動力となる。働くことを軸とする安心社会に向けて、すべての仲間とともに必ずそばにいる存在として労働組合の役割を発揮したい」と呼び掛けた。