4割が2ケタ増収に
物流87社21年度業績
物流各社の3月期決算が出揃った。本紙調査によると2021年度業績は87社中76社が増収、68社が営業利益で増益・改善を示した。コロナ禍の環境が続き燃料高騰も収益を圧迫する中で増収増益を確保した。不透明な経営環境が続くが、22年度予想では64社が増収、48社が営業利益増益・改善を見通す。21年度実績では34社が2ケタ増収、利益面では47社が営業益2ケタ増だった。さらに売上高1000億円以上の大手35社では、33社が増収、うち2ケタ増収16社、営業利益は28社が増益・改善、19社が2ケタ増益だった。大手では海上コンテナの逼迫による運賃上昇が続き、フォワーダー、海運事業者や国際物流部門が大きく売上・利益をけん引。国内もEC物流をはじめ日常品関連の物量が動き、これら需要増に対応した企業の業績が伸長した。前年度の20年度実績ではコロナ禍の影響から82社中増収は18社にとどまったが、物量の回復で反転し、さらに環境変化でコロナ前の実績を上回ったところも多くみられる。売上では収益認識に関する会計基準適用の影響もあり、これを除くと実質増収幅はさらに大きい。利益面では20年度も生産性向上、コスト改善で半数弱が増益だったが、これら改善施策の継続と増収効果でさらに利益を伸ばした。年後半からは前年のコロナ禍の反動増も薄れ、燃料高騰の影響もみられたが、第3四半期の修正予想をさらに上回り着地する企業もみられる。22年度の業績予想は、87社のうち増収64社、うち2ケタ増収は13社。営業増益・改善予想は48社と過半で、うち30社が2ケタ増益を見込む。コロナの長期化やウクライナ情勢と事業環境は不透明感が続くなかで、さらなる生産性向上、コスト改善策を織り込む。売上高1000億円以上の35社では増収予想25社で、2ケタ増収は2社にとどまる。利益は営業増益・改善は21社、11社が2ケタ増益を予想する。