EC弱含みで後半失速、宅配大手個数実績
今期、数量横ばい・単価増で売上確保
宅配大手の2022年度取扱個数は後半の物価上昇の影響や、活況なEC市場もコロナ規制緩和で消費の〝リアル回帰〟も受け鈍化した。23年度はヤマトホールディングスが小口貨物のうち宅配便3商品(宅急便・宅急便コンパクト・EAZY)とネコポスの合計で前年度の横ばい、SGホールディングスはデリバリー事業の宅配便取扱個数で1・0%減を予想する。価格改訂を織り込み平均単価の上昇で増収を確保する。22年度実績はヤマトHDが3商品で19億2633万8千個(前年度比1・9%増)、ネコポス4億1337万2千個(7・4%増)、4商品で2・8%増。期初は4商品で6・2%増を設定、期中修正値を示したが、第4四半期も「保守的に見ていた需要が想定を下回った」。単価は3商品が3円増の703円、ネコポスが1円減の189円。SGHDは22年度実績が0・9%減と前年を割った。飛脚宅配便13億5900万個(0・7%減)、その他5000万個(6・6%減)。期初は1・0%増を設定。10月まで累計1・0%増で推移したが、10月以降前年割れが続く。単価は3円減の643円だった。日本郵便は22年度のゆうパックの数量が0・8%減。21年度も前年度比9・4%減で2年連続の前年割れ、大口顧客の差出減少が影響した。うち、ゆうパケットは1・4%増の4億2594万3千個、「クリックポスト」の値下げ(198円→185円)などが要因。コロナ禍の巣ごもりもありEC市場が拡大、20年度はヤマトHD16・5%増、SGHD6・5%増、日本郵便11・9%増と伸び、21年度もヤマトは8・5%増、SGは1・4%増と伸ばしたが22年度は消費市場の変化も受けEC弱含みなどを背景に失速した。今年度もこの基調が継続すると見る。ヤマトHDは3商品19億4740万個(前年度比1・1%増)、ネコポス3億9320万個(4・9%減)、4商品合計では横ばい。3商品は月次で2月以降前年割れが続いている。平均単価は3商品736円(33円増)、ネコポス191円(2円増)とした。SGHDは23年度14億個(前年度比1%減)の予想、前半は減少、後半は若干プラス推移を見込む。平均単価は648円(5円増)とした。