24年問題で危機感共有、全ト協理事会

持続的成長へ斉藤大臣が激励

全日本トラック協会(坂本克己会長)は7日に理事会を開き、政策パッケージに基づく2024年問題への対応などを最重点項目とした新年度事業計画案や収支予算案を承認した。理事会には冒頭、斉藤鉄夫国土交通大臣があいさつし、今国会に提出した関係法案を「是非とも成立させて大きな改善を図りたい。エッセンシャルワーカーであるトラックドライバーの賃上げと労働環境を改善し、物流の持続的成長へ全力を尽くす」と決意を述べた。斉藤大臣は能登半島地震被災地への支援物資輸送の協力に感謝の意を述べた上で24年問題に言及。「トラック業界のみならず、荷主や消費者、政府が同じ危機感を持つこと」とし、トラックGメンによる荷主対策強化や標準的な運賃の引き上げ、道路行政では4車線化や大型車駐車マスの拡充など施策を計画的に進めるとともに、構造的対策である関係法案の成立で改善を図る考えを述べた。斉藤大臣のあいさつを受け坂本会長は「100年に1度、我々の業界に押し寄せる荒波である24年問題に対し、政府がやれることは何でもやるというメッセージ、激励であり、ありがたいこと」と期待を込めた。また、坂本会長は荷主対策で国交省のトラックGメンや所管省庁、公正取引委員会が施策を講じていることに触れ「皆さんの力によるものであり、悪質荷主の情報を提供してほしい」とあらためて要請した。一方で関係法案にある多重下請構造の是正では、坂本会長の諮問機関として設置した「多重下請構造のあり方検討会」において提言をとりまとめたとし、周知を図っていくよう求めた。新年度事業計画案では9つの最重点項目と4つの重点施策を提示。最重点項目では「物流革新に向けた政策パッケージに基づく2024年問題への対応」、「改正標準的な運賃・約款の活用」、「トラックGメンとの連携による荷主対策」、「燃料高騰対策」、「人材確保・教育」などを盛り込んだ。