28年12月期 売上3兆円 NXHD新経営計画
海外売上40%、インドで存在感確立へ
NXホールディングス(NXHD/堀切智社長)は14日、2028年12月期を最終年度とする5カ年の新経営計画を発表した。23年度比でグループ売上を8千億円上積みし3兆円にする目標を掲げた。〝変革へ挑戦し続ける〟を計画のベースに、5年間で成長投資7千億円を用意。海外で稼ぐ力をさらに高める。M&A、設備増強への原資とし、経済成長を遂げたインドや新興国への本格進出を検討する。これらステップに100周年を迎える37年に売上4兆円を視野に入れる。「経営計画2028 Dynamic Growth2・0」は、28年度までにグループ売上を3兆円とする。海外売上を23年度比2倍強の1・2兆円に引き上げ、海外売上高比率40%の達成を目指す。また事業利益を85%増の1500億円と野心的な目標を掲げた。14年後のグループ100周年まで売上4兆円、うち海外売上2兆円への長期ビジョン実現に堀切社長は「M&Aなくして実現はない」と述べた。海外を中心にM&Aを加速させる方針でその投資に3700億円を充てる。昨年子会社化したオーストリアの物流会社カーゴ・パートナー社(CP社)は今期通期売上が2092億円を見込むなど、グループ連結決算に与える影響は大きい。またCP社の子会社化は、グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニーをめざすNXグループにとって欧州とアジアをつなぎ、グローバル企業へ大きく前進した。次の一手にインドへの関心を高める。同国でのフォワーディング事業の競争力強化を急ぎ、インド市場での存在感を確立させる。現在インドは南アジア・オセアニアのセグメントに含まれ、将来的に独立したリージョンにする考える。アフリカにも今後検討していく考えをにじませた。また、堀切社長はフォワーディング事業強化へ海運の検討に含みを持たせた。
日本通運の戦略 選ばれる企業に
重点産業への取り組みでは、対象を拡大させ再編した。これまでの電機・電子、自動車、アパレル、医薬品、半導体に、「産業用機械」「建機」「農機」「鉄道」「航空機」「家具」「装飾品」「コスメティクス」「医療機器」を追加した。ロジスティクス事業の海外収益を5年後に2倍とする1兆2800億円を目指すのに対し、国内は7・4%増の1兆3500億円にとどめる。国内事業の中核を担う日本通運の戦略は、収益力を一層高め、広く選ばれる企業へ社会的価値向上をめざす。その一つの戦略に社内カンパニー制度の導入を進め、来年1月に実現させる方針。日本の各エリアで地域市場のポテンシャルを生かした営業を伸ばし収益最大化を図っていく。そのための人財登用・配置など行う。