運輸・倉庫2カ月連続悪化

TDB2月景気調査 荷動き低調、燃料費高止まり

帝国データバンク(TDB)が5日発表した2月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比1・6ポイント減の41・9と2カ月連続で悪化した。うち一般貨物自動車運送業も2カ月連続の悪化で1・2ポイント減の39・0。物流関係者からは荷動きの悪さを危惧する声や、2024年問題に対して業界全体が不安を抱えている声も少なくない。全体の景気DIは前月比0・3ポイント減の43・9。国内景気は、株式相場など金融市場が好材料となったが、消費者の節約志向の高まりや自動車の生産・出荷停止などが悪材料となり、小幅ながら悪化傾向が続いた。今後は悪材料が集中し下振れるが、夏以降から賃上げなど個人消費を中心に緩やかに持ち直すとみる。運輸・倉庫業界の各指標はグラフの通り。物量が低調で、売上DIは48・7と前月(49・5)に続き50を割った。販売単価DIは59・2(前月58・4)に上昇したが、仕入単価DIも67・0(前月66・9)と依然高水準。雇用過不足DIは正社員63・7(前月63・6)、非正社員57・6(前月58・2)と人手不足感も引き続き高い。物流関係者からは、「中国向け出荷が減少している」(港湾運送)、「原油が高止まりし、輸送料金にコストの上昇分を転嫁できていない。24年問題の対応で売り上げも減少し、乗務員も不足」(一般貨物自動車運送)など懸念が聞かれる。先行きは「精密機器の荷動きは活発になる」(普通倉庫)、「24年問題が着地すれば少し良くなる」(こん包)一方、「石油化学製品の出荷の減少傾向が継続する」(港湾運送)、「物価高騰による荷動きの低迷」(沿海貨物海運)、「物価高騰に係る運賃転嫁も進まないまま拘束時間・時間外労働の短縮規制に入ることが死活問題」など厳しい意見が多い。運輸・倉庫業界の景気DI見通しは、3カ月後45・1、6カ月後46・1、1年後47・2となっている。