大手物流企業、今期増収増益へ

 日本通運(川合正矩社長)の10年3月期連結決算は、金融危機に伴う荷動きの減退やJPエクスプレスの赤字負担などにより、営業利益を除き減収減益となったが、11年3月期は国際関連貨物がアジアを中心に堅調に伸びると見込み、増収増益ペースに回復すると予想している。売上げは2・3%増と緩やかな増加にとどまるが、営業利益は2割増、経常利益は3割増、当期純利益は倍増と大幅に回復する。国際関連事業の売上高に占める比率は前期の27・0%から30・6%に伸びる見通しだ。

 セイノーホールディングス(田口義隆社長)の10年3月期連結決算は、昨秋から前年を上回る貨物取扱量、自動車販売事業で環境対応車(エコカー)の普及促進の税制や補助金の後押しもあって、売上高、利益ともに04年3月期以来の増収増益となった。11年3月期の業績予想は、今年9月にエコカー減税が終了することを前提に「堅い」計画となっている。売上高は横ばいの4880億円(前期比0・5%増)だが、営業利益は100億円(同51・0%増)、経常利益170億円(同6・3%増)、純利益80億円(同15・6%減)を見込む。

 福山通運(小丸成洋社長)の10年3月期連結決算は、売上高2377億1500万円(前期比2・2%減)、営業利益125億2400万円(同52・4%増)、経常利益127億3200万円(同57・4%増)、純利益75億4300万円(同73・1%増)。3カ年計画の中間年に当る11年3月期の業績は、前期の減収増益から一転、増収減益を予想している。売上高は2567億円(前期比8・0%増)と07年3月期水準まで回復するものの、利益面については営業利益110億円(同12・2%減)、経常利益112億円(同12・0%減)、純利益66億円(同12・5%減)を見込んでいる。

 ハマキョウレックス(大須賀正孝会長)は13日、11年3月期の連結売上高840億円(前期比7・3%増)、営業利益57億円(同15・0%増)、経常利益55億円(同9・5%増)、純利益26億円(同8・5%増)とする業績見通しを発表した。
 連結子会社「近物レックスの経営改善」を最重要課題として売上高は3年ぶりの増収とともに、利益も過去最高益の更新をめざす。その結果、売上高営業利益率は6・8%で、10年3月期(6・3%)を0・5ポイント上回る。また、設備投資額は57億円(前期16億円)を予定。