交付金も議論の可能性

制度存廃は「昨年決着」

 解説 国土交通省が来年度税制改正要望で、軽油引取税の地球温暖化対策税(地方環境税)への衣替えを想定して、営業用トラックが使用する軽油に対する税の減免、すなわち営自格差を設けるよう要望する。今年5月の事業仕分けで、トラック協会に対する交付金に代えて、税の直接還付を提案されたことを受けての要望だ。

 そこで問題となるのは、運輸事業振興助成交付金の扱いだ。全日本トラック協会の税制改正要望では、制度の継続と法制度化を求めているが、国交省の要望では交付金制度について触れられていない。
そもそも運輸事業振興助成交付金は、軽油引取税の暫定税率創設の際、営業用トラック・バスへの軽減税率設定が徴税技術上困難とされたため設けられた経緯がある。

 今回の環境税化に当たっても、「環境税に税率格差を設けるに当たり、徴税技術上の問題から交付金制度が議論の対象になる可能性はある」(自動車交通局貨物課)としており、税率に差を設けられないのであれば交付金制度を継続すべきとの議論になる可能性がある。

 同省では「交付金制度自体は10年度税制改正大綱で継続することとされているので、その前提のもとで事業仕分けで指摘された透明性を確保するための対策をとる」(中田徹自動車交通局長)とのスタンスで、すでに昨年末に閣議決定された税制改正大綱で制度の継続が期限を定めず明記されていることから、来年度税制改正では改めて存続を求めることはしない考えを示している。