トヨタ、国内生産維持に苦悩

社長はこだわり、副社長「限界」

　トヨタ自動車は11日、東京・文京区の本社で11年３月期決算発表会見を開いた。東日本大震災でのサプライチェーンの混乱や電力の供給不安を受けて、改めて国内生産維持への考え方を問われた豊田章男社長は「日本での物作りにこだわりたいという思いは今も変わらない」と述べたが、会見に同席したＣＦＯ（最高財務責任者）の小澤哲副社長は「１ドル80円という為替水準は、正直言って日本で物作りを続ける限界とも感じている」と述べるなど、日本の製造業を代表するトヨタ自動車の苦悩がにじみ出る記者会見となった。

　　　　　　　　　　　会見する豊田社長（右）と小澤副社長