交付金法案 今国会成立へ
衆院通過 都道府県に交付努力義務
トラック協会などへの交付金のより確実な交付を図るための「運輸事業の振興の助成に関する法律案」が11日の衆院本会議で賛成多数により可決され、参院へ送られた。都道府県による交付は努力義務とされたが、自治体による減額が続くような場合には必要な措置を講ずるとの見直し規定を入れ、場合によっては軽油引取税に営自格差を設けたり、国が直接交付金を交付することも委員会決議で示唆した。参院では23日の総務委員会、24日の本会議で可決され、今国会で成立する見通しだ。
11日の本会議に先立って開かれた衆院総務委員会では、民主、自民、公明3党が共同提案の議員立法として法案を起草し、賛成多数で同委員会提出法案とすることを決めた。法案は同日午後の本会議に緊急上程され、原口一博総務委員長が提案の趣旨を説明、賛成多数で可決された。
法案では、交付金の交付について、「交付するよう努めなければならない」と都道府県に対して努力義務を課す。交付額は、トラック、バス合わせた総額が200億円となる算定方法を総務省・国土交通省の共管省令で定めるとした。
都道府県による交付については、与野党協議の過程で自民党が「交付するものとする」という義務化を提案したが、民主、公明両党が努力義務を主張したため、最終的に努力義務にとどめることになった。
交付金の使途については、輸送の安全確保、輸送サービスの改善、環境対策、地球温暖化対策など政令で定めるものに充てるとし、交付を受けたトラック協会などには都道府県の規則に従って実績を各県に届け出ることを義務付けた。
国による財政措置については、国が地方に交付する地方交付税で交付金相当額を国が補てんする旨が明記された。
採決では、3党のほか、社民、共産も賛成したが、みんなの党は「民主党政権が事業仕分けで見直すと評価した仕組みをそのまま法定化する法案であり、民主党政権の自己否定だ」などとして反対した。
片山総務相「一歩前進」
法案提出と事業仕分けの議論との整合性について、内閣府の園田康博政務官は「事業仕分けでの評価結果は『透明性の確保を行う』というもので、法案には副大臣通知で依頼していた交付を努力義務と定めるなど透明性を確保する措置が盛り込まれている」と答弁。
地域主権の趣旨に反する、との指摘に対し片山善博総務相は「通達をやめて法制化されることになり、地域主権改革の観点から言うと一歩前進だ」と答えた。
法案ではこのほか、自治体による減額が続くなど施行状況に問題がある場合には「必要な措置を講じる」との見直し規定が入れられ、その措置内容が委員会決議として全会一致で可決された。
決議では、「運輸事業の振興助成の手法のあり方、営業用車両に係る軽油引取税の税制上の取り扱いなどについて検討を加え、必要な措置をとるべき」とし、「場合によっては国が直接交付する」(小川淳也民主党政調副会長)ことや「軽油引取税に営自格差を作る」(赤澤亮正自民党総務副部会長)ことを視野に入れた内容となっている。
参院では、23日の総務委員会、24日の本会議で可決される予定だが、交付金法案については、すでに民自公3党が「流産させない」ことで合意しているため、今国会での成立は確実と見られている。

法案は民主、自民、公明、社民、共産の賛成多数で可決された