2次補正 不況対策に衣替えを
トラック運送事業者による信用保証の利用が昨年10〜12月にかけて急増している。100年に1度の経済危機を受けて、荷動きが急速に減退するなかで、年末資金繰りの厳しさが増したことを物語っている。
10〜12月の保証承諾金額は7〜9月に比べて4・5倍、前年同期に比べると10・3倍にも増えているという。月ごとに見ると、12月の保証承諾金額は、11月の3倍、10月に比べると9倍に急増した。
信用保証協会による保証は、指定された業種が受けることができるものだが、トラック運送業界は貸し渋りが問題化した98年度に指定を受け、以後、全日本トラック協会が地道ながらも営々と取り組み、3カ月ごとに継続されてきた。肝心の時に業種指定されていてよかった。
厳しいなかではあるが、多くの事業者が保証承諾を得て、金融機関から融資を受けられたことになるが、なかには、保証承諾を得ていても金融機関から融資を受けられなかったという事案もあるようで、情報を得た国土交通省は早速金融庁に通知したという。
4日に関連法案が成立したことで、08年度第2次補正予算の執行が可能になった。高速道路料金の平日昼間3割引は30日月曜日から、乗用車の上限1000円は28日から実施に移される。
第2次補正予算には、中小・小規模運送事業者への支援策として、第1次補正予算で35億円が確保された省エネ輸送100万円補助が、総予算額150億円という、トラック運送事業に対する支援策としては未だかつてない規模で用意されている。
低燃費車や省エネ機器を導入したり、あるいは機器などを購入しなくてもエコドライブなどにより燃料使用量を減らした事業者に対して、燃料代など経費の2分の1について最大100万円を補助する制度で、燃料高騰対策としての位置づけだ。財務省の計らいで、09年度への繰り越しも認められている。
そのまま不況対策としても活用可能かもしれないが、景気の悪化で苦しんでいるのは小規模事業者だけではない。事業者からは「どうして支援対象が20台以下、30台以下なのか。50台、60台は対象にならないのか」といった声がよく聞かれる。5日と6日に東京で開かれた地方運輸局貨物課長会議でも、こうした地元トラック業界の声が本省側に伝えられたという。本省の一見貨物課長も「要件の緩和も視野に入れて財務省と交渉したい」と話している。せっかく確保した150億円の予算だ。不況対策に衣替えし、より効果的な支援策としてほしい。
(日本流通新聞2009年3月9日付)