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日本流通新聞12月20日付紙面から

社説:交付金法制化は超党派で

 2011年度税制改正大綱が閣議決定され、民主党政権の下での2度目の税制改正が決着した。
 焦点の地球温暖化対策税は、原油などの輸入段階で課税される石油石炭税を増税するかたちで創設することになったが、党内でも根強い導入反対論に配慮して、初年度は税率を3分の1に当たるガソリン1㍑当たり25銭に抑え、導入時期も半年遅らせて10月からとした。
 ガソリン・軽油に対する免税・還付措置は、税額が少額で徴税コストと見合わないこともあって見送られたが、物流・交通(トラック・バス)の省エネ化を支援するため、別途予算歳出面で手当てすることになった。
 温暖化対策税の税収は経済産業省が所管するエネルギー対策特別会計に繰り入れられ、エネルギー起源のCO2排出抑制策に充当される。トラック等への支援策もこのエネ特から支出されることになる。
 一方、ガソリン・軽油の暫定税率相当分(当分の間税率)については、国・地方の厳しい財政事情や地球温暖化対策の観点も踏まえ、来年度は維持することが決まった。
 暫定税率相当分の維持に伴い、営業用トラック・バスに対する運輸事業振興助成交付金は、「これに関する地方交付税措置を含め、継続する」と記され、国の財源措置にまで言及した。
 交付金についてはさらに、「交付金制度の透明性の向上を図るとともに、交付金基準額の確実な交付を確保するため、法整備等を受け所要の措置を講ずる」と法制化に向けた記述も行われ、より確固とした制度とすべく一歩踏み込んだ。
 大阪府などによる交付金の減額問題を受け、決められた額が各都道府県から確実に交付されるような仕組みとする意志を政府として示したものだ。
 法制化について総務省は「交付金の確実な交付と透明性の向上を内容とする法になるだろうが、どういう法で担保するかは未定だ」(逢坂誠二政務官)としている。
 一方、民主党内には「万が一、内閣が法案を出さない場合には、議員立法で出す」(石井章トラック議員連盟事務局長)との声があり、トラック議連を中心とした議員立法で法案が提出される可能性もある。
 ただ、年明けから始まる通常国会は波乱含みだ。少なくとも衆参のねじれにより、法案を通すためには野党の協力が不可欠となる。仮に議員立法での提出となる場合は、自民党も含めた超党派での立法をめざしてはどうか。交付金の行方からはなお目が離せない状況が続く。


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