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日本流通新聞1月17日付紙面から

社説:キーワードはグローバル化

 物流企業トップが仕事始めの日に年頭訓示した。各トップは、日本経済の先行きについて“不透明”としながらも、「変革」「挑戦」「信頼される企業」「飛躍」「グローバル化」「原価意識」など、目標の達成へ前向きな取り組みが目立った。

 足元の経営環境は円高、輸出の足踏み、景気浮揚策の反動、内需の不振、デフレの継続など多くの問題を抱えている。そうした中で、国内貨物輸送量が引き続き減少傾向にあるなど、今年も前半は厳しい経営環境が続くが、後半は回復するとの認識は共通している。

 ただ、国際関連事業はリーマンショック以前の状態に戻りつつあり、アジアを中心とした輸出は好調を持続するものと予想している。円高を背景に、ここ2〜3年、新たな市場を求めて海外へと進出する日系企業が目立っており、物流企業もグローバル化が急がれる。

 グローバル化では、年頭式で輸出入「物量」の拡大を具体的数値で示す企業、社員や各部門の「国際力」強化、「世界へ」をキーワードに人材育成する企業、「アジアで稼げる」企業めざすなどの戦略、取り組みを掲げている。フォワーダー大手企業は決算まで3カ月を残しているが、すでに公表している営業利益・経常利益の達成はもとより、今年は将来にわたっても発展し続けるための諸施策を実行すべき年と位置づけている。

 投資戦略として財務の健全化に向けノンアセット経営を柱に資金はM&Aに投入し、M&Aで業績を伸ばしてきた企業は昨年、国際物流に長けた企業をグループ化し、海外戦略としてアジアに大きな関心を持ち、中国を皮切りにASEANやインドなど新興国への展開を図る方針を明らかにした。

 今年のスローガンを「飛躍」とした企業は、顧客に「自分は何ができるかを考え、率先して動いてほしい」と呼びかけ、利益の確保としては、昨年に引き続き適正運賃の収受や業務の効率化をあげた。また、今年を「新時代を切り開く正念場」と位置づける企業も「業績改善の実現は一人ひとりが昨年にくらべ、一歩でも二歩でも原価意識と改革意識をもった活動」を求めた。

 物流企業にとって生命線の「安全・品質向上」の取り組みでは、各企業とも安全品質体制の確立をするための制度を設けている。昨年7月、安全・品質に対する取り組みとして組織を設置した企業は「安全・品質の二つを確立しなければ得意先の信頼を失い、取引自体が停止してしまうこと」を改めて年頭に訓示した。

 経営環境は厳しいが、各社の変革、挑戦、飛躍に期待したい。


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