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日本流通新聞2月21日付紙面から

社説:安定した高速料金割引制度に

 国土交通省が、来年4月からの新しい高速道路料金割引を発表した。
 普通車については、自公政権で創設された土日祝日上限1000円が継続されるほか、平日にも2000円の上限制を導入する。
 中型車以上のトラック・バスについては、上限料金制を導入せず、現在の通勤・深夜5割引、平日昼間3割引などの時間帯割引を継続するとともに、大口多頻度割引も従来通り継続することで決着した。
 首都高速・阪神高速の料金については、先送りされてきた対距離制を来年1月から導入する。同一料金圏内での長距離利用にとっては値上げとなるが、料金圏を撤廃するため、複数料金圏をまたいで利用する場合には割安になる。
 大型車の場合、利用距離6㌔㍍までが1000円で、以後6㌔㍍ごとに200円刻みで料金が上がり、24㌔㍍以上で上限である1800円となる。ただ、長距離利用が多いトラックに配慮して、別途大口多頻度割引を拡充する。「大型車はできるだけ一般道に降ろさないようにする」(道路局高速道路課)考えで、今後拡充内容を詰める。
 首都高ではこのほか、NEXCO系高速道路との乗り継ぎ割引や都心環状線から中央環状線への迂回割引、埼玉線内々利用割引、羽田空港アクセス割引さらにEV(電気自動車)割引など、新たな割引制度を導入する予定だ。
 阪神高速でもNEXCO系・本四との乗り継ぎ割引、西線内々利用割引、端末区間割引などを設ける。
 本四高速については、普通車の土日祝日上限1000円などを継続するほか、新たに平日2000円、乗り継ぎ2500円の割引を導入する。中型車以上のトラック・バスについては現在の割引を継続する。
 自公政権時代に確保した割引財源の残りは約2兆円で、4月からの3年間で使う計画のため、同様の割引を続けるためには、3年後に再度財源を確保する必要がある。
 2兆円のうち、NEXCO系に1兆1600億円、本四に170億円、首都高に4600億円、阪高に3300億円を充当する。首都高・阪高については、対距離料金の上限額を抑えるために財源を投入する。
 自公政権時代には10年間で3兆円使う計画で確保された割引財源だが、それが後3年で枯渇してしまう。渋滞の元凶である乗用車の土日祝日1000円は別として、経済の血流であるトラックの輸送コストが不安定なままでは企業経営に安心感が生まれない。必要な割引には早期に安定財源を確保して、安定した割引制度としてほしい。

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