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日本流通新聞6月27日付紙面から

社説:公益社団で社会的地位の向上

 全日本トラック協会が新公益法人制度への移行(公益社団か一般社団のどちらかを選択するか)について、公益社団法人への移行のための認定申請することを決め、6月23日の総会で定款を機関決定した。すでに日本バス協会が3月29日、内閣府から公益認定を受けており、全ト協も今秋には認定申請を行う準備を進める。
 これまで一般社団への移行を想定していた全ト協が、公益社団に舵を切り替えた。理由には、法律(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律)別表に示された公益事業のうち、「第21号 国民生活に不可欠な物資、エネルギー等の安定供給を目的とする事業」にトラック協会事業が該当するとの判断だ。
 そのほかでは「協会事業の公益性の評価について、バスと異なることは望ましくない」「交付金の安定交付を受けるについても、公益認定を得ることが望ましい」などがあげられる。
 東日本大震災でトラック業界が果たした緊急物資輸送をみれば、トラックが公益事業であることを十分に説明できる。国土交通省がまとめたトラックによる政府(国)の緊急輸送は、延べ輸送先が2032地点、出動車両台数は1925台(3月11日〜5月9日)。
 また、各都道府県トラック協会が地方自治体など公的機関から要請を受けた緊急輸送車両は6308台(全ト協調べ、6月20日現在)だ。ここには、地方自治体などが直接運送事業者に輸送依頼した分は含まれていない。
 トラック輸送は、国民生活と産業を支える基盤として不可欠な公共輸送機関である。このトラック輸送を振興するため、トラック輸送の安全性確保、人と環境に優しいトラック普及のための調査・研究、技術開発、助成金など実施する交付金・一般会計事業は、トラック協会の公益目的事業であろう。
 ただ、トラック運送業界を取り巻く環境は厳しい。社会保険等の未加入率は改善傾向にあるが、未だに社会保険の未加入率は22%も占めている。背景には、前号(6月20日付1面記事、2面社説)でも指摘した、原価を無視し、労働法規違反を前提とした仕事が下請で横行しているといわざるを得ない。
 3・11の東日本大震災後、各方面から「トラックの輸送力、物流の重要性が再認識された」との声が聞かれる。被災地の復旧・復興を支えるトラック輸送は、まさに公益事業だ。全ト協は公益社団の方向性を示したが、それにふさわしい社会的地位の向上が求められる。

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