日本流通新聞  
スペーサー


最新ニュース

日本流通新聞8月1日付紙面から

社説:全ト協、星野会長に期待する

 全日本トラック協会(全ト協)の星野良三会長は4年前に、トラック業界・協会の総合力を発揮した戦略性ある活動確保の方策としてまとめた「トラック業界・協会の将来ビジョン」を地方の意見を聞いた上で見直し、今後の運営に活かす方針だ。
 7月27日、全ト協の星野会長は会長就任後、初めて物流専門紙記者と懇談し、協会運営にあたっての考え方などを述べた。「トラック業界・協会の将来ビジョン」は、自らが委員長として取りまとめたが、これを修正し今後の行動指針にする考えだ。
 星野会長は「会員事業者の声を聞くことが重要だ。早い機会にブロックごとの会長と意見交換し、協会運営に役立てたい」と地方協会との意見交換や意思疎通をすすめることに意欲を示した。とくに、同ビジョンに盛り込まれていた全国都道府県会長会議は「理事会で決定した方針を全国会長会議で徹底し、執行してもらう」機関として位置づけた。
業界・協会の政策立案と執行機能強化の方策として、理事会とは別に「全国会長会議」の設置を会議運営の改善策としてあげている。
協会事業の最重要テーマには「運賃、安全、環境」の3点をあげた。「運賃」では原価計算、「安全」と「環境」はドライブレコーダー装着やグルーンエコプロジェクトなど、東京都トラック協会(東ト協)で取り組んでいる事業の全国展開を示唆した。
  「運賃」問題は、東ト協で配布したパソコンソフト『武田式運送原価計算システム』について「距離と時間を入力すればすぐに赤字か黒字かが判る。研究し、全国に広げたい」意向だ。
  「安全」対策では、ドライブレコーダーの普及とグリーンエコプロジェクトの推進をあげ「各県に水平展開」していく考えだ。なかでもドラレコは都内の営業用トラック8万台のうち4万台に装着し、2007年の死亡事故「20件」を、2010年に「4件」と8割削減させた実績を強調した。
 「環境」対策のグリーンエコプロジェクトの取り組みも、営業用トラック1万台で実施しており、「4年間でドラム缶4万2700本の燃料を節約した」効果の大きさも指摘した。
 東ト協から全ト協の会長に就任した星野会長は「規模も違うので、東京と同じようにいかないと思う。各地方とコミュニケーションを取り意思疎通を図りながら運営すれば、うまく進められると思う」と、会員の声を重視するスタンスだ。
 さらに、実運送については「実際に運ぶ人が何となく蔑ろにされており、その人たちが日の目を見るような業界にしたい」という星野会長のリーダーシップに期待したい。

原価計算システムのご案内はこちら

原価計算システムサポートはこちら