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日本流通新聞3月5日付紙面から

社説:交付金、公平な交付を

 民主党トラック議員連盟総会が開かれ、全日本トラック協会が2012年度交付金の都道府県別内示状況を報告した。
 交付金制度は、昨年成立、施行された運輸事業振興助成法により法制化が図られ、各地方自治体の動向が注目されているが、全ト協の報告によれば、2011年度に何らかの削減をしていた23道府県のうち、5道県が満額交付とするなど8道県で増額が行われ、7県が前年度と同じ削減率を継続すると内示している。
 自治体により対応が分かれたかたちで、この問題の難しさが改めて示された。今後未内示8県の対応も注目される。
 今年度100%削減の大阪府は、来年度の対応については不明とされている。大阪府の影響で、近畿地方では削減県が目立つが、今年度5%削減だった奈良県が来年度は満額交付を内示しているほか、今年度30%削減の滋賀県も満額には至らないものの15%削減へと増額内示だ。
 ただ、今年度25%削減の兵庫県は口頭での回答で前年度並とされ、同じく20%削減で未内示の京都府も担当課は満額要求しているが、厳しいとの感触だという。
 関東では、今年度29.4%削減だった神奈川県が算定額通りの満額交付を内示しているのが目立つ。中部では12.6%削減だった静岡県が3.0%削減へと増額内示だ。中国では、3.0%削減だった島根県が満額交付となるほか、12.6%削減だった鳥取県が0.7%削減へと増額される。
 交付金法制化後の内示額を巡り、地方自治体によって対応に差があることから、民主党トラック議員連盟は近く川端総務相に対し、満額交付を求める要請書を提出する。要請書では、自治体間で交付状況に不均衡・不公平が生じているとして、交付予定額の事前把握とともに、法の趣旨に則った交付が行われるよう都道府県を指導・要請することを求める。
 運輸事業振興助成交付金は、1976年度の軽油引取税暫定税率創設の際、公共性の高い営業用トラック、バスが使用する軽油に対して、税率に営自格差を設けることが徴税技術上困難であったため、創設された経緯がある。いわば税の還付的な性格を持つ補助金だ。
 公平性や透明性の確保は税の大原則と言え、法制化により透明性を確保した交付金について、県によって交付状況が異なるのでは公平性を確保したとはいえない。
 各地方自治体は法制化された交付金について、公平な交付を行うべきである。

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