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日本流通新聞8月27日付紙面から

社説:税制改正も「呉越同舟」で

 2013年度税制改正論議がスタートした。民主党国交部門会議は22日、税制改正ヒアリングを行い、全日本トラック協会も出席して業界要望を伝えた。
 ヒアリングに応じた浅井税制対策副委員長は「東京で協同組合の理事長をしているが、10年前に160社だった会員企業数は80社へと半減した。軽油がこの5〜6年で30円ほど値上がりし、ほとんど粗利が出ない業界になった」と窮状を訴えた。
 軽油引取税については「少なくとも旧暫定税率の廃止」を求めており、ヒアリングで浅井氏は「道路財源が足りないからと増税を続け、余ったから一般財源化するなどとんでもない」と理解を求めた。
 民主党内で、暫定税率の扱いは宙に浮いたままだ。党内には「このまましれっとマニフェストから消し去って許されるとは思わない」(党税調幹部)との声もあるが、いずれにしても廃止へのハードルは高い。
 全ト協要望ではこのほか、北海道・沖縄〜本州間のフェリー等利用に対し、高速道路料金割引に見合う補助・助成の創設要望を従来より前面に出したほか、地球温暖化対策税の還付措置も初めて盛り込んだ。
 初年度20億円だった温対税の業界負担は、2年度目の13年度は1年間フルで効くため41億円へと倍増する。温対税の税率はその後段階的に引き上げられることになっており、業界負担は14年度から82億円、16年度以降125億円へと増える。内航海運や鉄道、国内航空、農林漁業には還付措置が講じられているため、トラックにも還付するよう強く求めていく方針だ。
 自動車取得税と自動車重量税の扱いも注目される。トラックを含む自動車関連業界は、消費税や自動車税との二重課税だとして廃止要望で足並みをそろえている。消費増税に際しての3党合意では「抜本的見直しを行う」とされ、消費税率の8%への引き上げ時までに結論を得るとされている。「抜本見直しとは廃止を含むとの言質を得ている」(公明党の高木元国交政務官)との情報もあり、決着が注目される。
 今年の秋は解散含みの政局展開となる可能性が高い。選挙があれば新政権が税制改正大綱を決定する可能性も否定できず、その新政権は新たな連立となるかもしれない。
 20日の道運研夏季懇親会には、与党民主党だけでなく、自民、公明、生活の野党3党からも国会議員が駆けつけ、坂本会長は「呉越同舟で業界の課題解決を」と訴えた。
 業界の税制改正要望もぜひ「呉越同舟」で協力し、成果を出してほしい。

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