社説:大手の業績回復に期待する
足元で荷動きの回復に期待が高まっている。日通総合研究所によると、2013年4‐6月の国内向け出荷量『荷動き指数』は、1‐3月期に比べ11ポイントの改善が見込まれているという。製造業・卸売業の15業種のうち、12業種で『荷動き指数』が上昇する見込みだ。
プラス業種は木材・家具、窯業・土石、生産財卸の3業種にとどまるなど依然として広い範囲で荷動きは停滞しているものの、改善の動きが見られ、1‐3月との比較では荷動きに下げ止まりの兆しが見てとれる。
上場企業などの2013年3月期決算と今期(2014年3月期)業績予想が相次いで発表されている。日本流通新聞が集約した大手物流企業17社の2013年3月期実績をみると、増収企業は8社で半数は減収だ。本業の儲けの指標となる営業利益の増益は4社で、8割近い企業が減益だった。1‐3月期(第4四半期)で多少の増減があるものの、各社ともほぼ想定通りの範囲内に収まったようだ。
一方、今期の業績は減収減益から一転して改善し増収増益企業が目立つ。17社のうち15社が増収増益、1社は横ばいの減収増益で、減収減益は1社だ。国内での荷動きに左右されない取り組みや施策を講じていることが伺える。
ひとつは不採算取引の見直しと、付加価値の高いサービスへの取り組みだ。不採算取引の見直しは減収を伴うが、収益につながる。大手企業での運賃単価アップへの取り組みが前期から行われているが、効果を上げてきているようだ。
また、付加価値とともに生産性を上げるため、アライアンスや組織の統廃合などの再編で減収分をカバーする取り組みも活発化している。分社化や他社と共同で合弁会社を設立し、赤字部門を黒字化した企業もある。
大手物流企業でも、国内での荷動きは「かつてのような回復の動きは見込めない。売上高は現状維持で御の字」という声が聞かれる。既存物量の減少は避けられず、これに伴う減収減益分をカバーするため新規案件の拡大を図っているのが実情だ。
今期に織り込んでいる増収増益は、付加価値をつけやすい物流センター事業、M&Aや国際物流(海外事業)などの新規事業の展開が前提である。
トラック運送業界は、保有車両数20台以下の中小事業者が全事業者数の8割を占めている。大手物流企業は、中小事業者とのパートナーシップを通じて相互理解を深め、トラック運送業界を明るく、活力のある業界へと共に育てていってほしい。