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日本流通新聞1月13日付紙面から

社説:今こそ運賃交渉の好機だ

 トラック運賃が上昇傾向を強めている。全日本トラック協会が発表した、12月のWenKIT成約運賃指数は119となり、前年同月の112と比べて6.3%、前月の114と比べて4.4%いずれも上昇した。
 年末繁忙期に当たる12月は、例年荷動きが活発になり、運賃も強含む傾向にあるが、12月の成約運賃指数を4月と比較すると、昨年は108から112へと3.7%のアップだったのに対し、今年は108から119へと10.2%の上昇だ。
 アベノミクス効果が実体経済におよび、荷動きが回復する一方で、ドライバー不足や車両不足により需給が締まったことが背景にあるとみられる。
 日本銀行が毎月発表している企業向けサービス価格指数も、ここ数年前年比マイナスが続いていたが、今年5月以降はプラスに転じ、11月まで7ヵ月連続でプラスとなっている。
 このうち、道路貨物輸送の指数も前年同月比プラスが続いており、プラス幅は10月0.6%、11月(速報)0.7%と拡大している。
 一方、12月のWebKIT求車情報登録件数は、9万8695件と過去最高を更新し、10万件に迫ったが、このうち成約に至ったのは1万262件にとどまり、成約率は前年同月より21.7%も低い10.4%にとどまった。ドライバー不足、車両不足の深刻化を背景に、求車需要に応えきれなかったということだ。
 KIT成約運賃指数は、例年3月が最も高く、とくに今年は4月の消費税引き上げ前の駆け込み需要が見込まれるため、より強い動きとなることが見込まれる。
 運賃が上昇傾向を強めるなかで、国内軽油価格も値上がり傾向が続いている。資源エネルギー庁が発表した年明け6日時点の調査では、軽油の店頭価格(消費税込み)は5週連続で値上がりし、1リットル当たり139.0円となった。5週間で1.8円の上昇だ。
 全ト協調査の11月軽油価格(消費税抜き)は、ローリーが前月比1.05円値上がりの113.23円、カードが0.53円値上がりの119.55円、スタンドが0.43円値上がりの120.13円で、5ヵ月連続の値上がりだ。
 石油情報センター調査の11月軽油インタンク納入価格(消費税抜き)も前月比0.9円高い119.5円となっている。
 今こそ、運賃交渉や燃料サーチャージ設定交渉の好機ではないか。新年度に向けて、交渉の準備を進めたい。

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