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日本流通新聞2月17日付紙面から

社説:引越安心マーク 浸透に期待

 全日本トラック協会が、来年度から引越事業者優良認定制度を創設すると正式に発表した。
 当時の運輸省が制度の導入を提言してから17年。様々な困難を乗り越えての実現だ。
 当時は、まずはできるところから、ということで、引越部会の組織化や引越管理者講習の開始などから取り組んだ。
 引越講習については、2005年度から全国統一カリキュラムによる講習となり、その5年後には延べ受講者数が7300人を超え、優良認定制度創設の機が熟したと判断。10年から検討ワーキング委員会を設置して、2年間にわたり検討した。
 11年には事業者と消費者に対するアンケート調査を実施し、事業者からの制度の早期創設要望、消費者からの「優良認定制度を参考にする」との回答がいずれも8割以上だったため、優良認定制度準備委員会を立ち上げて具体的な制度作りを進め、13日の発表にこぎ着けた。
 「長い時間がかかった」。当時からトラック協会の引越部会でこの問題に携わってきた鈴木一末部会長は会見でこれまでの経緯を振り返り、「多くの引越事業者が引越優良事業者となってもらい、会社、業界の発展につなげてほしい」と期待をにじませた。
 引越事業者優良認定の資格要件は、引越の実運送を行う全事業所が安全性優良事業所(Gマーク)であることと、これらの事業所に引越管理者講習受講者が1名以上在籍していることだ。
 会見で鈴木部会長「Gマークを要件にすることが非常に難しかった」と述べ、事業所の数が多い大手事業者や協同組合などの扱いに腐心したことを明らかにした。
 認定制度では、やむを得ない理由によりGマーク未取得事業所がある場合、別途定める認定基準に規定する要件を満たすことと定められており、Gマークに準じた規定を満たせば、未取得事業所があっても救済できる制度とした。
 鈴木部会長は「認定されることは決して難しいことではなく、当たり前のことを当たり前にやっている事業者は認定される制度となっている」と述べ、ハードルは決して高くないとの考えを示した。
 一方で課題は、「引越安心マーク」を今後いかに消費者に対して浸透させ、定着させていくかだ。安全で安心な引越サービスの提供はもとより、苦情などへの対応も含めて、この制度が公正なものであり、有効なものであるということを消費者に理解してもらう必要がある。業界の真摯な取り組みに期待したい。

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