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日本流通新聞9月15日付紙面から

社説:女性の活用、活躍に期待

 女性トラックドライバー「トラガール」が一躍注目を集めている。
 そもそも、国土交通省に設置されたトラック産業の健全化・活性化に向けた有識者懇談会が、トラックドライバーの確保・育成策の一環として検討を進めていたもので、今年5月の会合で、当初「トラジョ」(トラック女子の略)の愛称で女性トラックドライバーの活用促進を図ることを提案したところ、懇談会の女性委員から、「トラジョでは可愛くない」と異論があり、再度検討し直すことになった経緯がある。
 再検討に当たり同省では、「トラジョ」に代わるネーミング案について、現役の女性トラックドライバーに案を募るとともに、省内有志からも募集した結果、約30のネーミング案が集まった。その全てについて自動車局内全女性職員50人にアンケートを実施し、最も得票数が多かった「トラガール」に決定した。それが7月のことだ。
 その後今月3日に第2次安倍改造内閣が発足。女性閣僚を最多の5人とし、女性活躍推進担当相を新設するなど「女性活用」を前面に打ち出した。同日の記者会見で太田国交相が「トラガール」に言及し、「活躍の場を作りたい」と女性の活用に意欲を示すと、9日には安倍首相と国交相への表敬訪問が実現。一躍脚光を浴びることになった。
 首相官邸および国交省への訪問では、土木系女子「ドボジョ」も一緒に参加し、男性中心の職場で活躍する女性の存在をアピールした。
 国土交通省は、表敬訪問に合わせて、同省ホームページ内に「トラガール促進プロジェクトサイト」を立ち上げ、トラックドライバーとしての女性の採用、活用に向け、本格的な取り組みを開始した。
 事業用トラックドライバーに占める女性の比率は、2013年で僅か2.4%だ。人数にして約2万人だが、同省ではこれを2020年までに2倍の約4万人まで増やす目標を立てている。
 「トラガールサイト」で紹介されている女性ドライバーに対する評価の声を見ると、「女性ドライバーの存在により、社内が和み、従業員同士が協力し合える良い関係が築けている」、「荷扱いや検品など仕事が全般的に丁寧。女性ならではの細かな気配りにも優れている」、「お客様からも、場が和むなど好意的な評価を頂いている」などと高い評価をする声が多い。
 政権の方針にピタリとはまり込み、一躍注目されることになった「トラガール」。先入観を捨て、女性の採用、活用に取り組む経営者が増えることを期待したい。

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