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日本流通新聞10月27日付紙面から

社説:世界に誇れるグリーン・エコ

 本紙は、10月を「トラックの日」月間と位置づけ、トラック運送業界の社会的地位の向上、イメージ向上に向けた特集などを組んだ。
 世の中には、いまだにトラックの運転に従事する人達を「トラック野郎」と表現するメディアがあるなどマイナスイメージもある。トラック業界に対する偏見やイメージを是正するためには、「外部」へ働きかけと、「内部」の努力が不可欠だ。
 その意味で、東京都トラック協会の「グリーン・エコプロジェクト(GEP)」に改めて注目したい。
 17日、東ト協の大髙一夫会長らが米国ニューヨークで開かれた「国連エコドライブカンファレンス」に出席し、GEPによるエコドライブ活動の取り組みを発表した。
 国連で初の開催となったエコドライブに関する会議では、映像を交えて東京のトラック運送事業者が取り組む姿が紹介された。
 GEPは、1台ごとの車両の燃費データを集めてデータベースを構築し、運送事業者のエコドライブ活動を推進・支援する取り組みだ。CO2排出量の削減や燃費向上によるコスト削減、 事故防止などにも効果を発揮する。
 国連の会議では、「鉛筆1本で燃費管理を始めて、こんな活動ができるのか」と驚きの声や、「我が国でもできるのか」など各国から質問も相次いだという。
 日本の小規模運送事業者が、GEPの掲げる「環境CSR(環境から進める経営改善)」に向けて、会社一丸となって誠実に取り組む姿が世界へ発信されたことの意義は大きい。
 GEPは、1999年夏、石原都知事(当時)がペットボトルを振って始めた「ディーゼル車NO作戦」に端を発する。東ト協の若手経営者らが「行政から言われるままでなく、能動的に環境保全に取り組もう」と自発的に研究を重ね、2006年に協会事業としてスタートした。
 それから8年、国連で「世界のグリーン・エコプロジェクト」として評価を得るまでになった。
 国連参加後の22日、グリーン購入ネットワークが「グリーン購入大賞」を発表し、GEPが「経済産業大臣賞」を受賞した。
 東ト協のGEPによる「輸配送分野のグリーン購入」の仕組みの構築や、東京都「貨物輸送評価制度」などとの連携、行政の制度構築への協力などが評価されたものだ。
 GEPは、関東、北陸、東海、近畿など全国各地のトラック協会にも普及が進んでいる。日本人らしいまじめな取り組みとして、世界に誇りたい。

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