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日本流通新聞6月1日付紙面から

社説:国の支援策を活用しよう

 トラックドライバーの人材確保・育成に役立ててもらいたいと、国土交通、厚生労働両省が連携し、厚労省が所管する雇用関係助成金の活用を呼びかけている。
 トラック運送事業者が活用可能な雇用関係助成金は、新たな人材の確保、従業員の継続的育成、職場環境の改善、女性の活用、地域事業者全体の労働環境向上と種類も豊富だが、これまで業界内であまり知られておらず、活用実績も少なかった。
 厚労省は、国交省や全日本トラック協会と連携し、トラック運送事業者が助成金を活用しやすいよう、わかりやすく解説したパンフレットを作成し、全国のハローワークなどで配布するという。
 厚労省がトラックドライバーの人材確保を重要視するのは、トラックドライバーの有効求人倍率が年々上昇傾向にあり、人材不足が顕著になっているためだ。
 国交省は、今年3月にまとめた労働力不足対策アクションプランに「就業環境の改善」や「業界イメージの改善」に加え、「人材の確保・育成」として、新規雇用・資格取得等に対する公的助成制度の周知強化を盛り込んでおり、今回の「トラックドライバーの人材確保・育成策」は、その具体策の一環とみられる。
 トラック運送事業者向け雇用関係助成金には、新卒者などを採用し、採用した後に企業内での実習(OJT)と教育訓練機関などでの座学などを組み合わせて訓練を実施する実習併用職業訓練「キャリア形成促進助成金」がある。
 この「キャリア形成促進助成金」は、賃金助成として1人1時間あたり600〜800円が支給されるほか、経費の2分の1が助成され、6カ月間の訓練場合、30万円超が支給される例が示されている。また、経験の少ない若者を非正規労働者として採用し、中型免許の取得や運転実務などを訓練する有期実習型訓練(6カ月間)では、訓練終了後に正規雇用に転換すれば、あわせて100万円近い助成金がもらえるという。
 国交省ではこのほか、「トラックは重要な地場産業で、地方創生にも寄与する」(田端自動車局長)として、整備業で先行している、運輸支局長による地元高校訪問を、トラック運送事業についても今年度から実施していく予定だ。各県の高校に対し、トラック業界の魅力のPRや情報発信を行っていく考えだ。
 長時間労働の改善に続き、人材確保・育成についても国を挙げてトラック運送事業を支援するものであり、業界としてもこれに応え、人材の確保・育成に努めたい。

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