日本流通新聞9月28日付紙面から社説:交差点での安全確認を秋の全国交通安全運動が30日まで行われている。 今年8月末現在、事業用トラックが第1当事者となった死亡事故件数(軽トラック除く)は199件となり、前年同期の220件に比べ9.5%減少しているが、日々気を緩めることなく安全運行に努めたいところだ。 そのようななか、全日本トラック協会が、これまでにない詳細な事故分析を行っている。 事業用トラックが第1当事者となった死亡事故は、2014年で330件あるが、このうち、交差点での対歩行者、対自転車の死亡事故が74件あり、追突事故の1.3倍になっていることがわかった。 また、右左折、直進別に見ると、左折死亡事故は対自転車が24件で、対歩行者の8倍も多く、右折死亡事故は対歩行者が20件と、対自転車の3倍に上ることがわかった。 左折の際は、左後方から来る自転車に注意する必要があり、右折では右後方から横断してくる歩行者に気を付ける必要がある、ということだ。 さらに、いずれも被害者は60歳代以上の高齢者が多いこともわかっている。 全ト協では、すでに交差点事故防止対策を展開しており、ソフト面での対策には先行して取り組んでいる。このため、今後はハード面の対策を検討していくという。ハード対策としては、サイドビューカメラなどの事故防止効果を確認し、効果が確認できれば普及方策などを検討することになる。 交差点での死亡事故(追突を除く)を発生地別に見ると、東京が13件で最も多く、次いで大阪が12件、神奈川が9件と都市部での発生が目立つ。 ところが、車籍別(ナンバー別)で見ると、最も多いのは神奈川の12件で、次いで大阪の8件、埼玉、愛知、兵庫が各7件となっている。東京ナンバーは3件にとどまる。 つまり、東京の交差点で死亡事故を起こしているのは、他県ナンバーの車両だということだ。 事故発生件数は通常、発生地別に捉えられ、件数が多い発生地で対策がとられることが多いが、東京で事故が多いからといって東京の運送事業者だけが対策に取り組んでも効果は限定的、ということになる。 いずれにせよ、詳細な事故分析が行えるようになったことで、対策もより具体的にピンポイントで打てるようになる。 まずは、交差点での安全確認から始めたい。左折時は自転車、右折時は歩行者に要注意だ。
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