日本流通新聞10月12日付紙面から社説:誰もが一歩踏み出せる業界に第3次安倍改造内閣が発足した。「未来へ挑戦する内閣」だ。少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も人口1億人を維持することをめざす。誰もがもう一歩前に踏み出すことができる社会を作り、一億総活躍という未来を切り拓くのだという。 安倍首相は、「経済最優先」を打ち出し、GDP600兆円をめざす考えを明らかにした。7日の記者会見では「アベノミクスを支える骨格として、雇用を増やし、所得を増やす。成長戦略を実行し、国民が真に実感できる経済の好循環を回し続けていく」と意欲を示した。 「地方活性化の要」(安倍首相)である国土交通相には、公明党の石井啓一政調会長が着任した。 石井国交相は7日夜の初会見で、「国土交通省は、我が国の経済、国民生活にかかわる幅広い分野を担当している。来年1月には発足から15年を迎える。これまでの実績をしっかりと引き継ぎ、責任を果たしたい」と抱負を語っている。 安倍首相からは、まず国土強靭化の取り組みを進め、それを呼び水に地域経済の発展につなげるようにとの指示があった。とくに、地方を結ぶ交通網の整備が地方創生の起爆剤になることに留意して取り組むよう指示されたという。 9日の専門紙との会見では、トラックドライバー不足について「経済の活性化でトラックの需要が増える一方で、少子高齢化で人手不足になっている。とくにトラックドライバーは労働条件の改善が重要だ。中央と地方に設置された協議会を通じた取り組みとともに、中継輸送の導入やトラガールプロジェクトなどを通じて、担い手確保に取り組みたい」などと意欲を示した。 中央・地方に設置された取引環境・長時間労働改善協議会では、現在長時間労働の実態調査を行っており、年明けの第3回会議で調査結果が報告される予定となっている。今年11月に開かれる第2回会合では、労働時間短縮に取り組む先行事例を紹介し、その普及策についての議論を行う予定だ。 一方、トラック業界では、10月9日の「トラックの日」を迎え、トラック輸送が担う役割のPRに余念がない。「トラックは生活(くらし)と経済のライフライン」との統一標語で、これらを支えるトラックの役割を一般市民に訴え、業界の社会的地位向上を図っている。 安倍内閣がめざす「一億総活躍社会」に向け、トラック運送業界でも若者、ベテラン、女性、男性の誰もが今より一歩前に踏み出すことができる業界をめざし、トラック輸送が担う役割をさらに大きくしたい。
|
|