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日本流通新聞11月2日付紙面から

社説:荷動き指数の浮上に期待

日通総研がまとめた9月の短観によると、荷主企業約1000社の物流担当者からの回答をもとに取りまとめた国内向け出荷量の荷動き指数は、7-9月はマイナス6となり、4-6月の同11から5ポイント改善したが、なお前年同期の水準を下回り、見通しも下回った。

消費税増税前の駆け込み需要により、昨年1-3月の荷動き指数はプラス32となり、調査開始以来の最高値を記録した。しかし、駆け込み需要の反動などから4-6月の指数は一転して35ポイントの急降下となり、その後も低調に推移した。

今年1-3月は、前年同期からの反動もあり、マイナス14と一段の悪化が見られたが、この時点を底に緩やかながら改善が続いている。4-6月は同11、7-9月が同6、10-12月の見通しは同2まで戻している。

日通総研では、「改善の動きに変化はない」としながらも、消費増税後、未だにプラスへと回復できないことに懸念を示している。回復の力強さが鈍いことの背景として、最大の輸出国である中国を中心としたアジア景気の減速や消費増税の影響などで内需回復が遅れていることを指摘している。

一方、大手企業の4-9月決算は、基調としてはおおむね好調なようだ。

日本通運の中間決算は、日通NECロジスティックス連結化などにより売上高が3.7%増え、営業利益は燃料価格の下落などにより15%増益となった。

ヤマトホールディングスの決算は、宅急便の取扱個数が前年同期比4.3%増と堅調だったものの、クロネコメール便廃止による影響を、クロネコDM便や宅急便コンパクトなどの新商品の伸びで補えず、営業利益が15%の減益になるとともに、通期業績を下方修正した。

SGホールディングスの4-9月業績は、主力のデリバリー事業が堅調なうえ、不動産事業でREIT等による不動産流動化を進め、物流不動産を売却したために営業利益は41%増と大幅増益となった。

日立物流の中間決算は、中国の物量減や日本発着フォワーディングの物量減で国際物流は計画値に届かなかったものの、国内新規受注や、課題だった立ち上げコスト改善などの収益改善でカバーし、営業利益は57%増となった。

中国をはじめとする新興国経済の変調、日本の内需回復遅れといった不安材料はあるものの、国内の荷動き指数が早期に水面上に浮上してくることを期待したい。

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