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日本流通新聞3月28日付紙面から

社説:隊列走行 技術と制度に期待

米グーグルの参入などで技術開発の加速化が期待される自動運転。トラックの隊列走行についても、具体的な実用化の目途が初めて示された。

経済産業、国土交通両省が、自動走行ビジネス検討会の報告書としてロードマップを公表したもので、トラック隊列走行については、2018年度から公道での実証試験を開始し、早ければ2021年度にも商業運行を開始する工程表を示した。

トラック運送事業者のドライバー不足は深刻で、高齢化が進むなか、業界の存続に関わる問題だ。とくに、ドライバーの確保が難しい夜間の長距離幹線輸送を隊列走行により省人化する強いニーズがあるという。

このため両省では、業界のニーズに応える後続車両無人の3台以上の隊列走行をめざすことにした。

隊列走行は、隊列運行管理サービス事業者による運行が想定されており、今後ビジネスモデルの具体化を急ぐ。

隊列走行については、欧米でも実用化をめざす動きがある。米国のペロトン・テクノロジーは、2016年から高速道路で2台後続車両有人の隊列走行の商業運行を試行するという。燃費向上等によるコスト低減に応じた手数料収入により投資を回収するビジネスモデルを描いており、2025年までの黒字化を想定しているという。

隊列運行管理技術を具備した管制センターの標準化を推進する意図も推測され、両省も注視している。

トラックの隊列走行は、3年前にNEDOがテストコースで走行実験を行い、大型トラック3台と小型トラック1台の計4台による時速80km、車間距離4mでの隊列走行に国内で初めて成功した。

すでに実用化している技術ではないか、と思うムキもありそうだが、当時の実験では、車両重量を揃えるなど様々な条件を整えたうえでの走行で、実環境ではなお解決すべき課題が少なくないという。今後めざす隊列走行も時速80km、車間4mをベースに検討するが、電子連結の安全性確立、電子けん引の制度化、センサの性能向上、ブレーキ性能のバラツキ対策などが課題となる。

隊列構成のためには、複数の物流事業者の連携が現実的で、技術面の開発とともに「隊列運行管理サービス」の制度面の検討が不可欠となる。

なお乗り越えるべき課題が少なくないトラックの隊列走行だが、トラックドライバー不足の救世主となるのか。今後の技術開発、制度の検討に期待がかかる。

 

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