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日本流通新聞4月18日付紙面から

社説:生産性革命 荷主の理解不可欠

国土交通省が、生産性革命プロジェクトの第2弾として、7つのプロジェクトを選定した。

人口減少時代を迎えるなかで、労働者の減少を上回る生産性向上により、経済成長をめざす取り組みだ。

石井国交相は今年を「生産性革命元年」と位置づけ、省を挙げて生産性向上に取り組む構えだ。

同省が生産性革命に当たり取り組む切り口は、(1)「社会のベース」の生産性を高める(2)「産業別」の生産性を高める(3)「未来型」投資・新技術で生産性を高める——の3つだ。

「社会のベース」では、渋滞対策などに取り組み、「産業別」のなかで物流の生産性向上にも取り組む。「未来型」では、自動運転技術やドローンの活用などを想定する。

同省が選定したプロジェクト第2弾のなかに、「オールジャパンで取り組む『物流生産性革命』の推進」が盛り込まれた。

我が国のトラック輸送は、10年前には50%前後で推移していた積載率が41%に低下し、輸送能力の6割が使われていない状態だ。また、約4割の荷役業務でその対価が支払われておらず、1運行で2時間弱の手待ち時間が発生している。

国交省では、物流の生産性向上の数値目標として、労働生産性(就業者1人・1時間当たりの付加価値額)を2020年までに2割程度向上させるとの案を提示した。

労働生産性は、トラック、内航海運、貨物鉄道事業の合計値を指標とする考えだが、装置産業である内航、鉄道とトラックでは生産性が大きく異なる。

全日本トラック協会がまとめた2014年度決算版経営分析報告書では、トラック運送業の生産性向上に向けた考察を行っており、そのなかで「鉄道、海運は、一定区間を定期的に大量輸送するため、輸送効率(生産性)が高いのは当然だ」と指摘。機動的に、きめ細かな輸送ニーズに対応できることが強みのトラックは、「荷主・元請けとの円滑な取引関係を維持するため、積載率、実車率が低い輸送であっても引き受けざるを得ない」として、生産性が低い仕事にも取り組まざるを得ない実情を明らかにしている。

このように、トラック運送業の労働生産性向上は、トラック事業者が単独で取り組むには限界がある。全ト協の経営分析も「荷主の協力がなければ、輸送の効率化、運賃水準の引き上げ、長時間労働削減に向けた取り組みができない」と指摘している。

トラック輸送の生産性向上には、荷主の理解・協力が不可欠といえる。

 

 

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